群青の月
面接が思ったよりも早く終わり、その足で寄った職安での用事もすぐに済んだ。


「ただいま」


帰宅した俺は、リビングの電気が点いていない事に首を傾げた。


「柚葉?」


リビングのドアを開けながら声を掛けても、先に帰宅しているはずの柚葉からの返事は無い。


てっきりベッドルームにいるのかと思ったけど、そこにも彼女の姿は無かった。


ネクタイを緩めながらキッチンに行って、ミネラルウォーターを持ってリビングに戻る。


ペットボトルに口を付けながらソファーに座ろうとした瞬間、ピタリと動きを止めた。


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