群青の月
中に入っていたのは、十数枚の一万円札だった。
それが何に対するものなのかは、俺には全くわからなかったけど…
書き置きすら残していない柚葉がどこまでも彼女らしく思えて、つい声を漏らして笑ってしまっていた。
「フッ……」
同時に頬を濡らした冷たさに手を伸ばせば、それの正体が涙だって事に気付く。
頭では、柚葉が戻って来ない事はわかっている。
それなのに…
柚葉を求める心が、彼女を一晩中待ち続けた。
だけど…
長く感じた夜が明けて朝になっても、やっぱり柚葉は戻って来なかった――…。
それが何に対するものなのかは、俺には全くわからなかったけど…
書き置きすら残していない柚葉がどこまでも彼女らしく思えて、つい声を漏らして笑ってしまっていた。
「フッ……」
同時に頬を濡らした冷たさに手を伸ばせば、それの正体が涙だって事に気付く。
頭では、柚葉が戻って来ない事はわかっている。
それなのに…
柚葉を求める心が、彼女を一晩中待ち続けた。
だけど…
長く感じた夜が明けて朝になっても、やっぱり柚葉は戻って来なかった――…。