群青の月
この部屋の香りも空気も、すっかり心に馴染んでしまっている。


だから、もう戻って来ないと決めた事を、早くも後悔してしまいそうになる。


だけど…


冬夜から色んなものを奪った畑野に、あたしは体を売ってしまった。


そうしたのはあたし達が付き合う前の事だったし、あの二人の関係も全く知らなかった。


それでも…


どうしようもない過去の事だとは言え、あたしは自分(アタシ)を許す事は出来ないって思ったんだ…。


冬夜はあたしの事を責めたりはしなかったけど、あたしがどうしても納得出来なかったから…。


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