群青の月
冬夜が傍にいてくれたら、あたしは幸せになれる。


胸を張って、そう言える。


じゃあ、冬夜は……?


きっと、冬夜は本当の意味では幸せにはなれない。


だって…


自分(アタシ)は、“冬夜の大切なものを奪った奴に体を売った女”だから…。


どんなに明るく楽しい未来を描いてみても、その最低な事実は一生付き纏う。


それは、本気で自殺を考える程だったつらい過去を、常に冬夜に思い出させる事になるかもしれなくて…


同時に、その時に負った深い傷を塞ぐ隙すらも与えないって事でもあると思うから…。


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