群青の月
◆Side‥冬夜
【Side‥冬夜】
柚葉が出て行ってから、あっという間に1週間が過ぎた。
俺の心は、最後に彼女と過ごしたあの日に置いてきぼりにされたままなのに…
時間はいつだって酷く残酷で、そんな俺を嘲笑うかのように簡単に進んでいく。
やり場の無い気持ちをぶつけるように、タバコに手を伸ばしては引っ込める。
肌身離さず持っている携帯と一緒に、掛けて来てくれる事は無いであろう相手からの電話を待っているけど…
柚葉からの着信は、やっぱりあれから一度も無かった。
そしてもちろん、俺が掛けた電話が彼女に繋がる事も無かった――…。