群青の月
貯金にも柚葉が置いて行った金にも、手を付けたくなくて…


クリスマスが目前に迫った頃には、ギリギリで生活する日々が続いていた。


職安に通いながら短期バイトで生活をする自分なんて、柚葉と出会う前までは考えた事も無かった。


だけど…


そんな過去がまるで夢だったみたいに、今の生活が肌に馴染んでいる気がした。


柚葉のいない部屋はやっぱり広く感じて、彼女と過ごした日々が懐かしく思える。


痛む胸も柚葉がいない寂しさもちっとも癒えていないのに、そんな事を考える自分(オレ)が何だか可笑しかった。


< 835 / 1,000 >

この作品をシェア

pagetop