群青の月
窓から射し込む太陽の光に、眉を僅かに寄せる。


やり場の無い気持ちを隠すように、ギュッと拳を握った。


心の奥底から沸き上がって来る感情を、必死に堪えていたのに…


「心配しなくてもいいわよ。別に、アンタの世話になろうなんて思ってないから」


母のその言葉で、あたしの中の何かがプツリと切れた。


「ただ……」


「ふざけないでよっ!!」


予想以上に響いた声が、病院内の静けさを強調する。


「今更何なのっ!?アンタのせいで、あたしがどんな気持ちで生きて来たと思ってんの!?アンタなんかっ……!」


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