群青の月
あたしは冬夜に出会って、彼に温もりや愛を教えて貰った。


本当に僅かな期間だったけど、確かに幸せな時間を過ごした。


その間に深過ぎた傷がほんの少しだけ癒されたのも、事実だから…。


冬夜と出会っていなかったら、あたしはきっと母の死を心から喜んだ。


だけど…


冬夜に愛されていた時間が、もうそうさせてはくれない。


瞼をギュッと閉じた後、無意識のうちに噛み締めていた唇を動かす。


「アンタの事は許せない……」


「うん……」


「でも……」


それから、母の瞳を真っ直ぐ見つめながら続けた――…。


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