群青の月
◆Side‥冬夜
【Side‥冬夜】
「冬夜ー!いい加減に起きなさい!一体、いつまで寝てる気なの!?」
目覚まし時計よりもけたたましい声とともに、剥ぎ取られてしまった掛け布団。
同時に身震いをして、慌ててそれを取り返そうと伸ばした手をパシッと叩(ハタ)かれた。
「もうお昼過ぎよ!さっさとご飯食べなさい!全くもう!片付かないったらありゃしないんだから!」
「わかったよ……」
母親に急かされて、重い体を引きずるように布団から出る。
「ほら、シャキッとしなさい!夜には朔夜(サクヤ)達も帰って来るんだから、今日は忙しいのよ!」