群青の月
「は……?」


唐突な言葉に驚いたものの、すぐにため息を漏らす。


昔から優秀だった兄貴は、学生時代に株で儲けていた。


そして、その利益と友人数人と出し合った資金で企業を起こし、今はその小さな会社の社長をしている。


起業した頃は、経営危機に陥りそうになった事もあったけど…


今では立派な企業として世間からも認められ、多数の企業から注目されている。


だけど…


「兄貴の性格的に、同情だとは思わねぇけど……。コネ入社なんて、真っ平ごめんだよ」


俺は、兄貴だけには頼りたくなかった。


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