群青の月
向かった先は、登録していた派遣会社がある駅の近くの小さなカフェ。


店に入ると、吉岡さんがあたしに気付いて笑顔を見せた。


「柚ちゃん!」


「わざわざごめんね、吉岡さん」


テーブルを挟んで向かい側の席に座った後、水を持って来た店員にホットコーヒーを頼んだ。


「まさか柚ちゃんから電話を貰ってお茶に誘われるなんて、思ってもみなかったわ。でも、とっても嬉しい!」


嬉しそうに笑った吉岡さんに、小さな笑みを返す。


彼女とはつい最近、清掃のバイトで一緒になった時に連絡先を交換したばかりだった。


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