群青の月
病室で母と話した時――。


「アンタの事は許せない……」


「うん……」


「でも……」


あたしは心の中で必死に葛藤をしながら、続けて静かに告げた。


「見捨てる事も、出来ない……」


親子としても、家族としても、情なんて微塵も無いと思う。


それなのに…


死を目前にして痩せ細った母の姿を見ると、どうしても目を背ける事が出来なかった。


憎しみも恨みも深く根付いているし、あたしに付いた深い傷も消えない。


だけど…


これが、今の自分(アタシ)の“答え”だから…。


< 870 / 1,000 >

この作品をシェア

pagetop