群青の月
年が明けてから1ヶ月が過ぎ、俺は兄貴の会社に採用される事が決まった。


とは言っても正式採用は4月からで、今は研修も兼ねて雑務を熟しているだけだけど、以前の会社にいた時よりもずっとやり甲斐を感じていた。


「試験代わりにしたお前の企画、来週の会議で出してみる事にした」


実家で話してから2週間も経たないうちに企画書を渡した時、兄貴が珍しく面食らったような顔をしていた事を思い出す。


「そうか……」


「何だ、嬉しくないのか?」


「いや、嬉しいよ」


「そうは見えねぇよ」


怪訝そうな兄貴に、曖昧な笑みを返した。


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