群青の月
「それがどうした?」


「どうした、って……。いや、だって……」


あっけらかんとしたように言われて、戸惑ってしまう。


「その女が本当にお前の運命の相手なら、また会えるはずだ」


力強く零されたのは、聞いている方が恥ずかしくなるような台詞。


それなのに…


「……絶対にな」


何故か、それを素直に信じてみたくなったんだ…。


「愛する女を守れるなら、別に綺麗事でもいいじゃねぇか。男なら、惚れた女くらい自力で見付け出せ」


兄貴はもう一度窓の外を見た後、フッと笑った。


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