群青の月
トーフは、他の人に飼われた方が幸せなんだと自分自身に言い聞かせようとしても、どうしてもそうは思えない。


あたしはきっと、今も自分勝手なままなんだ…。


「ごめん……」


トーフに謝ったのかどうかすらもわからないまま、もう一度唇を動かす。


「本当にっ……ごめん……」


一人になる事には慣れていたはずなのに、また寂しさが込み上げて来る。


冬夜と別れを選んだ時よりも、胸に刻まれた傷は浅い。


だけど…


その痛みは冬夜と別れた時と同じくらい強く、あたしの心の奥を抉ろうとしているみたいだった。


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