群青の月

◆Side‥冬夜


【Side‥冬夜】



華やかなネオンに包まれた明るい街を、愛車で走る。


煌びやかな街は、夜だって事を忘れそうになるくらい賑やかで、人々で溢れている。


俺は交錯する車のライトに何度も目を細めながら、柚葉の事だけを考えていた。


伝えたい事も訊きたい事も、後から後から溢れて来る。


だけど…


今はただ、柚葉に会いたいと強く思う。


逸(ハヤ)る気持ちのせいで、アクセルを踏み込もうとする足。


それを、心の中で何度も叱責する。


そして、カーナビのアナウンスに従いながら、とにかく車を走らせた――…。


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