群青の月

５分もしないうちにさっきと同じ場所に着いて、またそこに車を停めてアパートに向かった。


一度歩いただけでも、柚葉に繋がる道ならちゃんと覚えている。


無意識のうちに走り出していたから、すぐにアパートの前に着いた。


やっと柚葉に会えると思うと、さっきよりも心臓が大きく鳴っている気がして…


鼓動を刻む度に、全身が緊張に包まれていく。


俺は深呼吸を一つした後、前を見据えるように一番奥の部屋に向かった。


ドアの前に着いた時、もうさっきみたいな迷いは微塵も無くて、一思いにインターホンを押していた――…。