群青の月
「柚葉」


名前を呼ばれて顔を上げると、顎を掴まれて唇を塞がれた。


久しぶりのキスは、今までで一番優しくて…


唇に感じる熱に、冬夜への愛おしさが大きくなっていく。


「……もう二度と、俺の前からいなくなったりするなよ?」


どこか不安げに零された言葉に、ゆっくりと頷いて見せる。


あたしの中に、もう迷いは無かった。


不思議だけど…


今度こそもう絶対に大丈夫だ、って思えたんだ…。


零れそうな程の星達がキラキラと輝く夜空の下で、そんな気持ちを伝えるように冬夜と何度もキスを交わした――…。


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