群青の月
◆Side‥冬夜
【Side‥冬夜】
柚葉と会えてから数日後、俺は再び彼女のアパートを訪ねた。
再会出来た日の翌日は柚葉がバイトだったし、俺は雑務を残して会社を飛び出してしまっていたから、お互いにゆっくりしている暇は無くて…
あまり余韻に浸る事も出来ないまま、彼女との時間を惜しみながら帰るしか無かった。
「アンアンッ!」
トーフと一緒に…。
「久しぶりだね、トーフ」
玄関から出て来るなりトーフに笑顔を向けた柚葉と、それに応えるように彼女に飛び付いたトーフ。
その何とも言えない光景に、俺は深いため息を漏らした。