群青の月
「……彼氏より犬かよ」


尻尾をブンブンと振るトーフの姿は、柚葉と再会した日以来初めて見た。


「トーフもトーフで、あんなに世話してやった俺より柚葉の方がいいんだな」


彼女とトーフへのヤキモチは、たぶん半々だと思う。


だって…


この数日で、俺もすっかりトーフへの愛情が湧いてしまったから…。


眉を寄せていると、柚葉の頬から赤い宝石が光る耳元までが赤らんでいる事に気付いた。


「……何?お前、照れてる?」


どうやら、彼女はどんな反応をすればいいのかわからなくて、トーフに話し掛けたらしい。


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