群青の月
単純に、今すぐにでも会っておかなければいけないと思ったんだ…。


そう思った時に行動に移しておかないと、もうこんな機会は二度と無い気もした。


だから…


深く考えるよりも先に、柚葉に母親に会わせて欲しいと頼んだ。


彼女はもちろん戸惑いを見せたし、最初は頑なに拒否していた。


それでも何度もしつこく頼み込んだ俺に、結局は仕方なく同意したという感じだ。


繋いだ柚葉の手が珍しく汗ばんでいて、彼女がすごく緊張しているのが伝わって来る。


反して俺は、不思議なくらい心が落ち着いていた。


< 949 / 1,000 >

この作品をシェア

pagetop