群青の月
「柚葉の事……どうか、よろしくお願いします」
真っ直ぐに俺を見つめ、ハッキリとそう言った柚葉の母親。
その表情は、ちゃんと“母親の顔”をしていた気がする。
「はい……」
やっとの事で俺が発したのは、たった一言だけ。
それ以降、俺達が言葉を交わす事は無かった。
程なくして、タイミングを見計らったようにドアが開いて、柚葉が入って来た。
不安げな彼女に笑顔を向け、目配せで大丈夫だって事を伝える。
柚葉は顔に戸惑いの色を浮かべながらも、どこかホッとしたように表情を緩めた――…。
真っ直ぐに俺を見つめ、ハッキリとそう言った柚葉の母親。
その表情は、ちゃんと“母親の顔”をしていた気がする。
「はい……」
やっとの事で俺が発したのは、たった一言だけ。
それ以降、俺達が言葉を交わす事は無かった。
程なくして、タイミングを見計らったようにドアが開いて、柚葉が入って来た。
不安げな彼女に笑顔を向け、目配せで大丈夫だって事を伝える。
柚葉は顔に戸惑いの色を浮かべながらも、どこかホッとしたように表情を緩めた――…。