群青の月
葬儀が終わってすぐに、冬夜はあたしに『戻って来て欲しい』って言ってくれた。


母の為にあの場所に引っ越したあたしにとって、それはすごく有り難い事。


何よりも、冬夜の傍にいたかったから、迷う事無く素直に頷いた。


ただ、派遣会社に頼んで先々まで入れて貰っていたバイトの事もあって、さすがに“すぐに”って訳にはいかなかった。


だからその時は、冬夜にはトーフだけを連れて帰って貰った。


心配性な彼は、一緒に住める日まで毎日電話を掛けて来てくれて…


休みの日には必ず、トーフを連れて会いに来てくれた。


< 965 / 1,000 >

この作品をシェア

pagetop