群青の月
アンティーク調のオシャレな店内は、甘ったるい香りに包まれている。


少しの間考え込んでいると、店員が微笑みながら口を開いた。


「お決まりですか?」


「名前って、すぐに入れられますか?」


「え?」


疑問形で言葉を返した俺に、店員は不思議そうな表情で小首を傾げる。


「これ」


俺は笑みを浮かべながら、目の前のガラスケースを指差した。


「はい、大丈夫ですよ。こちらの商品でよろしいですか?」


満面の笑みで確認して来た店員に、俺も笑顔を返しながら頷いた。


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