群青の月
何だかんだと言っても、家族が与えてくれる温もりの力は偉大だと実感出来たのは、あんな思いをしたからだろう。


そう考えると、こんな世の中でも案外捨てたものじゃないとすら思える。


だから…


俺もいつか、柚葉と家庭を築きたいと強く思うようになった。


子どもをたくさん作って、今よりももっと温もりや優しさを感じられる家族になるんだ。


想像しただけで溢れる幸せに、思わず顔が綻ぶ。


柚葉とじゃないと、叶えられない夢。


柚葉の過去を考えると、彼女自身はそれを望んでいないのかもしれないけど――…。


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