群青の月
「……は、柚葉。ほら、着いたよ」


その声に瞼を開けると太陽の光が顔に当たっていて、反射的にまた目を瞑ってしまった。


冬夜はそんなあたしの膝からトーフを抱き上げた後、車から降りるように促した。


昨夜のニュースでは、ゴールデンウィーク中はずっと晴天だって言っていた。


その予報通り、澄み渡る空には雲一つ無くて…


サンサンと輝く太陽が、青いキャンバスを悠々(ユウユウ)と独占している。


しばらく空を仰いでいたあたしの手を取った冬夜は、相変わらず眠そうなトーフを抱いたままゆっくりと歩き出した。


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