群青の月
「……確かに無理かもしれない」


念押しするようにもう一度零された、肯定の言葉…。


突き付けられた事実に、更に胸の痛みが増す。


だけど…


「柚葉一人なら、な」


続けて意味深に言われたその言葉で、心の中に一筋の光が射し込んだ。


「昔の柚葉は一人ぼっちだったかもしれないけど、今の柚葉には俺がいる。だから、柚葉はもう一人じゃない」


「冬夜……」


キッパリと断言してくれた事が、すごく嬉しいのに…


その感情よりも先に溢れ出したのは、一雫(ヒトシズク)の涙だった。


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