群青の月
空はどこまでも快晴で、心には優しい光が射し込む。


幸せを噛み締めるように冬夜を見つめると、彼は微笑みながら唇にキスをしてくれた。


温かい幸せに溢れた、甘くて優しいキスを…。


「アンアンッ!」


そんなあたし達の間を割るように、いつの間にか起きていたトーフの鳴き声が響いた。


冬夜の腕の中でもどかしそうに動いていたトーフを、彼があたしの目の前に差し出した。


「ほら、トーフも協力してくれるってさ!」


冬夜は、どこか得意気に尻尾をブンブンと振るトーフを見ながら、楽しげにクッと笑った。


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