群青の月
母の最期には、心と体を傷付けられた事を許す事は出来なかったけど…


そんな幸せに溢れた未来をも手に入れる事が出来たら、もしかしたら自分(アタシ)の最期の瞬間には何かが変わっているかもしれない。


あたしは手の平から伝わる冬夜の体温を感じながら、ガラにも無いような事を少しだけ考えていたんだ。


「さて、朝飯でも食いに行くか」


「そうだね」


「トーフ!」


その提案に頷くと、冬夜がトーフを呼んだ。


彼は、すぐに戻って来て嬉しそうに尻尾を振ったトーフに笑顔を見せ、真っ白な体を抱き上げた。


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