群青の月
「そういえばさ、何色に見える?」
あたしの手を握った冬夜が空を指差したから、唐突な質問に小首を傾げながらも答えを紡ぐ。
「水色?」
「蒼っぽくないか?」
「青?」
「いや、お前が想像してる漢字は違うだろ。蒼だよ、蒼。もしくは群青色」
「……難しい事言わないでよ」
「じゃあ、間を取って群青色って事にしとくか」
「意味わかんない」
ぶっきらぼうにため息をついたあたしに、冬夜が何故か満足げに笑う。
あたし達は群青色の空に浮かぶ朝の月に背を向け、ゆっくりと歩き出した――…。
END.
あたしの手を握った冬夜が空を指差したから、唐突な質問に小首を傾げながらも答えを紡ぐ。
「水色?」
「蒼っぽくないか?」
「青?」
「いや、お前が想像してる漢字は違うだろ。蒼だよ、蒼。もしくは群青色」
「……難しい事言わないでよ」
「じゃあ、間を取って群青色って事にしとくか」
「意味わかんない」
ぶっきらぼうにため息をついたあたしに、冬夜が何故か満足げに笑う。
あたし達は群青色の空に浮かぶ朝の月に背を向け、ゆっくりと歩き出した――…。
END.