愛姫



ウンザリと言うばかりにノディアの機嫌は最悪だった。




ユアに触れたい。




ノディアの脳裏に浮かぶのは、抱くことに怯えたユア。




ため息をもらすノディア。




すると、神官たちの呑んでいる方向が騒がしい。




ノディアは何となく脚を向けた。



近づくにつれてノディアの耳に入る神官の言葉。




「はやく踊れ」




「つまらないだろ、王の妻の女は神官にいい顔しろ」




ミローネが必死にノディアを違う方向に変えようとする。




「ノディア様、あちらに行きましょう」




「・・・・」




しかしノディアには聞こえていない。




ずんずん神官たちの方に進む。




神官たちが円になって呑む中の円の真ん中にいるユアを見た瞬間、




ノディアの瞳が金色に変わる。



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