愛姫
円の真ん中にしゃがみ込んだユアは、ドレスを必死に押さえて小さく震えて泣いている。
色白な柔らかい華奢な背中が大きく露出されている。
その上、酒を投げつけられたのか、背中から髪が濡れて床には酒のグラスが転がっている。
「貴様ら・・・何をしている」
聞いたこともない低い声が響く。
その声の主に気がつく神官たちは一気に顔から色が消えた。
ユアは涙で濡れた顔をノディアに向けた。
「・・・ノ・・・・ノディア様っ・・・・」
ユアの切ない声だけがノディアに届いた。
ノディアは自分の羽織っていたマントを外す。
威圧感のあるノディアに周りの神官もミローネも近づけなかった。
ユアのもとまでコツコツと歩く。
フワリと優しくユアをマントで包むとユアを抱き上げた。