愛姫



マヲはすぐに出ていく。




「・・・サラ・・・どうしよぅ・・・」




ユアはクルクルと飲み物が入ったカップを回す。




「・・・あのね・・・私が前にいた世界は・・・どんなに偉い地位にいる男の人でも側室とかはいなくて・・・奥さんだけなの・・・・」




「不思議・・・」




ユアは苦笑いする。




「ノディア様がミロ-ネ様を寵愛したって聞いたらなんだか・・・。わ、私なんか、ノディア様に逆らっちゃいけないことも、前の世界と違うのもわかってたのに・・・・嫌だった・・・」




「・・・ユア・・・無理して笑わないで・・・?」




「・・・・私・・・ノディア様に・・・嫌われちゃったかなぁ・・・・」




ポタポタポタポタ。




飲み物に涙が落ちる。



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