愛姫
すると、ノディアはユアの顔が隠れるように帽子を被せた。
「・・・ノディア?なんで??」
「我が国は妃の顔は余り露出させないんだ」
そう言うとノディアに腕を引かれる。
ティノたちの後ろを歩く。
国民たちのあたたかい声でこの国は平和なんだと感じとれる。
店に入るとたくさんの従業員がお辞儀をする。
広い綺麗な部屋に歩いていく。
椅子に座るとノディアはユアの帽子をとる。
「ノディア、ありがとう」
「よい」
それから美味しい料理を食べてまた街をぐるりと回って城に帰る。
「楽しかった」
ユアは夜、ノディアと泊まっている部屋で顔を綻ばせた。
「それはよかった」
ノディアがユアを膝の上に座らせる。
ノディアが唇を近づけてきた。
「・・・」
静かに唇が触れる。
唇が一瞬で離れる。