愛姫



爽やかな笑顔。




私にはよくわからない。




バスに乗って居場所のない家に帰ってきた。




憂鬱。




本城くんに荷物を部屋まで持ってきてもらった。




「結愛の家って本当昼間親いないんだな」




「まあね」




というか、ただあの人達が私に会わないように出かけてるだけなんだけどね。




「・・・結愛、」




いきなり二人きりの部屋で抱きしめられた。




「!!??」




そしたら次はキスされる。




嫌だ!!!




体中が拒否する。




本城くんのことを力いっぱい押していた。




「・・・あ・・・本城くん、ご、ごめん・・・びっくりして・・・」




苦しい言い訳。




なのに、本城くんは笑った。




「いや、俺も悪かった。俺帰るわ。また学校でな。」




そう言って本城くんは帰ってしまった。




一人きりの部屋。




「・・・・・・・・・」




ゴシゴシとキスされた唇を拭う。




・・・なんでだろう。




事故前まではキスもしてた。嫌じゃなかった。




・・・・なのに・・・今は・・・。




ゴロンとベッドに転がる。




・・・
・・





「ん・・・」




・・・寝てたのか。




窓の外はオレンジだ。




すると、いきなり目の前が光る。



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