愛姫



グッ!




いきなり手首を光りから出てきた手に掴まれた。




「きゃ・・・!!!??」




「・・・ユア・・・」




え・・・?




強く閉じていた瞳を開ける。




そこにはお伽話の中の王子様のような格好をした男の人がいた。




「・・・ユア?」




栗色の髪がサラリと揺れる。




「・・・はい・・・」




「髪がこっちの世界だと黒髪なんだな」




髪を触られる。




「さあ、帰るぞ。俺がどれだけ探したと思っている」




帰る???




探した???




引っ張られる手を振り払う。




「・・・あ、あなた誰ですか!!??」




そう言うと、男の人は栗色の瞳を見開いた。




「・・・俺はノディア。・・・・本当に覚えてないのか・・・?」




首を縦に振る。



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