愛姫
「お前は本来この世界の者ではない。ユアは俺の妻だ」
「・・・」
すると、またノディアは光りに包まれる。
いきなり、ノディアが結愛の腕を引き寄せる。
「!!??」
唇が一瞬触れた。
「ユア、はやく思い出せ」
そう言うと部屋の中は結愛一人になった。
・・・・私、夢見てたのかな・・・・。
いきなりお伽話みたいな男の人が出てきて、私は妻とかよくわからないこと言ってた・・・・。
・・・・。
キスされた唇だけじゃなくて顔が熱い。
「・・・なんだったの・・・」
結愛は部屋に一人座り込んだ。
・・・
・・
・
あれから一ヶ月。
あの人は現れない。
「・・・結愛?」
ハッとして今本城くんとデート中だということを思い出す。
「本城くん、ごめん・・・」
「最近よく考え事してるみたいだよね、大丈夫?」
「・・・あ、うん。たいしたことじゃないから・・・」
時間が経てば経つほどあれは夢だったんじゃないかと思えた。