愛姫



あの綺麗な栗色の瞳は夢なの?




「・・・」




「結愛、家来ない?まだ退院したばっかりだし、」




結愛はコクリと頷く。




本城くんは結愛の手を握るとスタスタ歩き出した。




「・・・」




歩いていくと結愛が事故にあった場所を通る。




あ・・・・。




ズキン、と頭が痛くなった。




何かモヤモヤがかかって思い出せない。




「・・・痛・・・」




結愛は頭を抱えた。




「結愛!!?」




本城くん・・・?




何か本城くんが言っているのに聞こえない・・・。




頭の中に響くのは何処かで聞いた声。




"ユア"




・・・・ああ。




あの人の声だ。




栗色の髪と瞳をしたあの人。




記憶にあるあの人は愛しい人。



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