愛姫
キュウッとノディアの着ている服の袖を掴む。
振り返った栗色の瞳は驚いて見開かれた。
「ユア、どうした?」
だが、すぐに栗色の瞳は緩んで弧を描く。
「あの・・・」
ユアが口ごもるとノディアはユアを抱き上げた。
「皆、少し席を外すが仕事を続けてくれ」
ノディアはそう声をかけると、部屋から歩いて出る。
「・・・で、どうした?」
ユアを降ろす。
「ごめんなさい、仕事中に。・・・でも・・・違うかもしれないんだけど・・・」
ユアはノディアの手をとってお腹の下に沿える。
「・・・なんだ?」
不思議そうにユアを見るノディア。
「・・・赤ちゃん・・・いるかも・・・」
小さな声でユアが言う。
すると、ノディアはユアを抱き上げた。
小さい子をあやすように高く。
「本当か?!」
「わっ!・・・わかんないけど・・・お腹が出てるから・・・」
「アロ!!!アロはどこだ!!!」
ユアを抱いたままノディアは廊下を歩く。