愛姫
それから何日か経つとユアはすっかり体調がよくなった。
「ユア、」
「ノディア様・・・」
ユアはノディア様の部屋のソファーに浅く座っていた。
隣にはノディア様が深く腰掛けている。
「いつになったら慣れる?」
「・・・・すいません」
ノディア様の笑い方も話し方も全部が演技のよう。
まさかそんなことも言えるはずがなく、ユアはため息をついた。
「ユア、今日は出かけようか」
「ぇ・・・」
ユアの返事も聞かずに立ち上がるノディア様。
「ですが・・・・」
「前に言ったはずだ。ユアから俺は褒美を貰うと」
そう言うとユアを引っ張って部屋を出た。