愛姫
「小鳥を返せって?」
クスクスと笑いながらディジュドの水色の瞳が青色に変わった。
「小鳥が気に入った。なかなかいないタイプの女だな」
「・・・ユアを返せと言っている」
剣を抜く二人。
鉄の交わる音が響く。
ノディアはディジュドをかわすとユアの元に走る。
ユアは涙を流して震えていた。
「ノ・・・ディア様・・・・ごめんな・・・さ・・・い・・・」
ノディアは何も言わずに自分の羽織っていたマントをユアに羽織らせた。
「ディジュド。今日はユアを連れて帰る。お前の相手などしない」
低い声が響く。
「ユア、俺はまたお前に会いに行くさ」
ディジュドが言う。