愛姫



アロはマヲに逆らえなかった。




アロはユアの部屋に戻るとすぐ看病をはじめた。




苦しそうな荒い息が聞こえる。




ろくに食べてない身体に休まらない身体。




ユアの身体は弱りきっていた。




「ユア様、お水です。飲んでください。」




意識のないユアが水を飲めるはずがない。




口から溢れる水がこぼれた。




アロがいくら看病してもユアの意識は戻らない。




一日中アロはユアの傍にいた。




ユアの顔は真っ赤で熱い。




「ユア様・・・・・」




するとユアがうっすら瞳を開けた。




潤んだ瞳からは涙がこぼれる。




「・・・ア・・・ロ・・?」




「ユア様・・・!!」




「・・・ごめん・・・ね・・・・わ・・・たし・・・ごめ・・・ん・・・なさ・・・い・・・」



< 68 / 229 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop