愛姫



・・・
・・





だいぶ空がオレンジ色になってきた。




背の高い木が光りを通さない森の中はもう暗い。




・・・ない・・・。




いくら探しても探しても見えるのは同じ木ばかり。




「・・・どうしよぅ・・・・」




ガサガサとユアの前に何かが現れた。




「・・・ひっ・・・」




壊れた人形のような人のような生き物がユアの周りにいた。




「・・・こ、こないで・・・」




ズンズンとユアに近づく生き物。




ユアは走って反対に逃げた。




「・・・はぁはぁ・・・」




息が上がる。




なのに、生き物は息ひとつ上がらない・・・・。




まるで死人が動いているよう。



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