そして、恋をする。
「奇跡だねー!!」


休み時間に入るなり、
彩夏が叫んできた。


「な、何が?」


周囲の様子を
見ながら


「坂口君!」


と小声で
私に囁いてきた。


「ちょ…!」

「もーさー。最初は私が坂口君の隣だったから、
席変わってあげようかなって思ってたんだよね。」

「あ。そういえば…。」

「けど、うまい理由が浮かばないでどうしよーって思ってたら!
坂口君の方が裕子の方に行っちゃって興奮しちゃった!」

「あ、ありがとね。悩ませちゃったね。ってか、興奮て…」

「あーもー!!ちょー嬉しい!!」


自分の事のように
喜んでくれている。

私もそんな彩夏が
友達であって、
ちょー嬉しい!!
なんて。


「でも、大西君とは離れちゃったね。」

「そうなのー。めっちゃ悲しい。」


本当に残念そう。

でも、
1年の頃より、
仲良くなってる
気がする。


「でも、最近仲良くなってるよね?」

「うーん…。少ーしだけね?」


うーんとか
言ってる割に、
すごく嬉しそう。


「このー。さっきも話してたでしょ!」

「え?!見てたの?!」

「うん。もし私が協力出来ることがあったら言ってね!何でもするから。」

「うん…。ありがとう。」


最高の笑顔で
私に微笑む。

うーん…。

この笑顔で
微笑まれたら、
どんな男も
イチコロなのでは…?



彩夏が幸せに
なりますように。



その日の夜見た
流れ星に、
強く強く
願った。
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