そして、恋をする。

今日から
新しい席。

でも、
坂口君の後ろに
変わりはないんだ!

そう考えると、
思わず口が緩む。

まだ坂口君は
学校に来ていない。


「裕子!気にしすぎ!!」


彩夏に
怒られる。


「全く。私と席離れたのに、そんなに嬉しそうにしちゃってさ!なんか悔しい!」

「あー。ごめんってば!彩夏様~。」

「ちぇっ。」


二人で顔を
見合わせ、
笑いあう。

その時、
坂口君が
クラスに入ってきた。


「おはよ。」

「ああ。」


無愛想は
相変わらずだが、
朝の挨拶は
普通に出来た。

そんな些細な事が
嬉しい。



その時、


「あ。坂口じゃん。おはよー。」

「小林。お前、隣だったんだ。」

「ぶっ!今更?!昨日の朝からこの席だったじゃん。」

「気づかなかったわ。」

「さいてー。」


仲のよさそうな
やり取りが
されている。


…お互い、
呼び捨てだった…。


一瞬にして、
気分が落ち込む。


あ…。
そういえば、
一度一緒に
登校してきたっけ。

小林梓って
名前だったな。

まさか、
坂口君の隣に
なるとは…。

気づかなかった。


でも…


この背中が
とられなくて
良かった。


少しだけ、
勝った(?)
気になる。





一瞬、

小林さんの
視線を感じた
気がしたのは、

多分
私の勘違いだ、と
思い込む事にした。
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