そして、恋をする。
「あー。昨日はやり忘れたが、席替えもした事だから、今日から1週間。
班になって昼を食べる事にした。
まだ、クラスで話した事ないやつとかいるだろー?」

担任の先生が
昼休みに
そう告げた。

「えー。ここからここが1班でここからここが2班な。
あ、お前は1班、お前は2班で…」

一班5人に
振り分けられた。

席の近い私と
坂口君は
同じ班。

もちろん
小林さんも…
いや、梓さんも。


この呼び方に
まだ慣れない。

梓さん自身も
私と距離をあけて
話している
雰囲気から、

気を許せない
感じがして、
名前を呼ぶのに
抵抗がある。


梓さんと…

一緒に食事か…。


なんだか
落ち着かない。



けれど昼休みは
無常にも、
あっさりと
やってきた。



ガタガタ…



机を動かし
班の形にする。


はぁ。
まるで、
中学の時みたい。

思わず
ため息をつく。



ガタン。


左に
坂口君の机が
ぴったりと
くっつけられた。



どき…




あ、あれ。


もしかして


隣に座るのって
初めてかも。


ってか…


近い…。




そんな事を
考えながら
すっと前を見ると、



そこには
小林さんの

まっすぐで
真剣な瞳があった。
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