切なくて、切なくて
「夏希って加藤と仲良いの?」
聞いちゃった。
自分が傷つくかもしれないのはわかってたのに。
「え、あぁ、仲良かったかな。
て、付き合ってたんだけどね」
初耳だった。
少し胸に刺さる言葉。
失恋したわけじゃないのに。
「でも今は何も思ってないよ?
大樹にぞっこんだからね!」
焦ったように付け足すと夏希は私の肩を掴んで、
「応援するよ、その恋は叶うって信じてるからね」
はっきりとそう言った。