切なくて、切なくて

─ヒーロー





次の日、3時間目公民。


それだけが楽しみで学校に行く。

クラスに入ると、いつも通りに晴香ちゃんが声をかけてくれる。


席について隣を見ると相変わらず人だかりになっている。


「加藤のファンクラブが
できたんだよー!!」


「ついにって感じだよね」


周りは女子、しかも派手な子ばっか。


加藤も楽しそうに話してた。


「お、ついに俺にもファンクラブかー……」


ニヤっと笑うと加藤はいろんな女の子に次々と抱きつき、


「まじ、みんなにチューしちゃいたぃ!」


と言って、目もとでピースし、ウィンクをしていた。


周りの女子から叫びのような歓喜の声。


「チューしていいよ?」


と1人の女子がいうと


「俺ってそんな軽い男じゃないからさぁー、好きな子以外にはチューとかしないょ!」


そう言ってまた、さっきのようにキメポーズをした。





< 14 / 22 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop