切なくて、切なくて




私は何故か笑っていた。


「穂乃香!
なに笑ってんだよ!」


突然、指を指されて驚いてしまい、笑い声を呑み込んだ。


加藤を取り巻く女子の視線が痛い。


「いや、ごめんね。
もう笑わないから」


勢いよくでた言葉は
謝罪だけだった。


「謝んなよな」


加藤は少しキツい口調でそう吐き捨てた。

私だって謝りたくない、
謝ってる意味がわかんない。


でも謝ることが
無事に生きる方法なんだもん。







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