切なくて、切なくて




―――キーン コーン


授業終了のチャイムがなると隣で寝ていた加藤が目を覚ます。


「穂乃香ー、ノート貸して」


これこそ私がノートを真面目にとってる理由。


加藤は授業中には寝ているからいつも授業終わりに私のノートを写すのだ。


「今日、ちょっと書けてないとこあるんだけど、平気?」


そう聞くと、


「穂乃香らしくないじゃん。
ま、途中からでもいいや、借りるよ」


そう言って、私のノートを横から持っていった。


「やっぱ、ノートだけじゃわけわかんねーよ……」


なんて、呟きながら
私のノートを写していた。


そして「ほい、サンキュ」
と私に声をかけノートを手渡した。







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